夏山診療所:医療ボランティアの登山装備

山岳診療所での医療ボランティアに興味があるんだけど、どんな準備をしていったらいいの?

そんな疑問についてここでは取り上げていきたいと思います。これから書く内容は、北アルプスにある三俣診療所への参加を想定しています。数ある山岳診療所の中でも三俣診療所は、かなり奥深い場所にあって、診療所(三俣山荘)にたどり着くまでの行程はけっこうハードです。

そんな点を踏まえつつ、お読みいただけると幸いです。

これまで何度か書いていますが、山岳診療所というのは完全な山の中にあります。自動車が通れる道路などは通じておらず、登山者が自分の足で歩いてしかいかれない場所にあると思っていてください。

そのため、診療ボランティアとはいっても、行き帰りの行程を考えるとそれは完全に「登山」です。特に北アルプスの最奥部にある三俣診療所までの道のりは、メジャーではありますが、かなり本格的な登山コースに相当します。

そのため、一般登山客と同様、最低限の山岳装備は必要になります。

もともと登山やトレッキングなど、アウトドアスポーツをされている看護師さん、ドクターにとってはなんでもないあたりまえのことなんですが、いわゆる「北アルプスの山小屋泊まりの基本的な登山装備」は必要になります。

登山経験がない、もしくは不慣れな方は、ボランティアの医大生チームと日程を合わせて一緒に入山することをお薦めします。以下に紹介する装備は、基本的にそういったチームと一緒に入山することを想定して書いています。地形図やコンパスなど、個人で登る際には必須ですがここでは省略しています。その点、ご了承ください。

三俣診療所に行くのに必要な登山装備

  • バックパック(40リットル程度)
  • ザックカバー(なければ荷物をビニールで包む等の対策でも可)
  • 雨具(ゴアテックスのレインウェア上下がベスト)
  • ヘッドライト(LED仕様が軽くて便利)
  • 水筒 計1~1.5リットル程度 途中何ヶ所かで補給可

バックパック

まずはバックパック。いわゆるリュックサックです。着替えや食料などを背負っていくので少し大きめのバックパックが必要になります。町中でよく見かけるリュックはふつう20リットル程度。北アルプスの山小屋を目指すには30~40リットルはあった方が無難です。

ザックカバー

これは必須ではありませんが、雨が降った場合に背中のザックが濡れないようにするためのカバーです。三俣診療所までは片道で8時間近く山の中を歩きますので、しっかりした雨対策は必要。市販品のザックカバーもありますが、一回だけの登山のためにわざわざ買うほど出はないかもしれません。おおきなゴミ袋に切り込みを入れて代用するという手もあります。

雨具(レインスーツ)

登山では基本的に傘は使いません。風の強い稜線で傘なんかさそうものならどうなるかは想像できますよね。登山での雨具といったら基本的にカッパです。上下に分かれたレインスーツのタイプが一般的ですが、買うとなったらけっこう値段がはります。100円ショップで売っているようなビニールカッパもないよりはマシですが、登山という重労働、汗をかきます、蒸れます。
本当はゴアテックスという雨は通さないけど汗の蒸気は逃がすという特殊素材のカッパがベストなのですが3万円くらいします。なにを奨めるかというとなかなか難しいのが現状。でもなにかしらは絶対に必要です。
夏山といっても高地ですからかなり冷えます。雨に打たれようものなら夏でも凍死することもあり得ます。雨具はゴアテックスがいいに決まってますが、着替えを多めに持っていくという前提で100円ショップで売っているような安いビニールカッパという選択も、、、お薦めはしませんが、アリかもしれません。

ヘッドライト

山小屋では電気がありませんので、懐中電灯の類は必携です。山では朝暗いうちから起き出して日の出前に次の目的地に出発するのがふつうですから、診療所を訪れる患者さんも朝暗いうちに顔を出すことも珍しくありません。

懐中電灯であれば何でもいいのですが、お薦めはLEDのヘッドライト。ハチマキのように頭に取り付けて使うタイプで、両手を使えるので作業用に便利。3000円程度しますが、家での防災用としても便利なものですから、この機会に買ってしまうことをお薦めします。

【その他の装備】

靴はなるべくハイカットのスニーカーorトレッキングブーツをお薦めします。なにも専門的な登山靴は必要ありませんが、コンバースなどはちょっとキツイ気がするので、なければハイカット気味の靴を新調しちゃった方がいいかもしれません。3-4000円程度でもあると思うので。その場合、ちゃんと履き慣らしておくことが重要。マメになっちゃいますから。

その他持つものといえば、行動食(おやつ)とか、個人用のファーストエイドキット。診療所につけばひととおりの医薬品はありますが、貴重な物資なので、自分で使いそうな医薬品は持参するのが原則。

帽子や日焼け止めなどは必要に応じて。入山してからはシャワーは浴びられないので、女の人はウェットティッシュの大きめのヤツみたいなのを持ってくる人も多いみたいです。トイレの個室なんかでこっそりと全身清拭をするようです。

医療スタッフとして特別に持っていくもの、というのも特にありません。診療所にはウェルパスみたいなものはあるし、プラスチック手袋もあったはず。血圧計は自動式のとボロい手動式がありました。あとパルスオキシメーターも。このあたりの話は、また項を改めて詳しく書こうと思います。